会長挨拶

設立趣旨

1972年に多国籍企業研究会として設立され、2007年に多国籍企業学会へ改組された本学会は、その歴史と伝統を誇りに、我が国における多国籍企業研究の中核的研究集団として、多くの面で着実な成果をあげてきました。この度会長を仰せつかりました私は、「伝統と革新」、「ローカルでグローバル」、「小規模ながら大きなスケール」といった対立概念の両立とシナジーを念頭に置きながら、この勢いあふれる本学会の更なる発展に向けて、微力ながら知的貢献を目指してまいりたいと考えております。

第一の「伝統と革新」の両立に関しましては、本学会の誇る古き良き伝統を末永く受け継ぎながら新たな時代を切り開く学会に発展させることが重要であると考えます。そのためには、世代を超えて、多国籍企業研究会創立当時からご活躍の会員の皆様と若手研究者が分け隔てなく自由闊達に議論し、ハイレベルな知的貢献を行っていける環境づくりを目指したいと考えております。

第二の「ローカルでグローバル」に関しましては、世界的傾向としてアメリカ流の研究スタイルがグローバルスタンダード化した今日、本学会もそうした世界的潮流の中で高い評価を得られる存在になることを目指したいと思います。その一方で、我が国ならではの多国籍企業研究スタイルをフルに活用し、世界の学界に対する高度でユニークな知的貢献を目指したいと考えます。

第三の「小規模ながら大きなスケール」に関しましては、本学会は人数的には小規模集団ではありますが、会員各自が自らの得意とする多様な研究スタイルをベースに、研究面、教育面、政策面、実務面などにおいて、これまで以上に大きなスケールの知的インパクトを与えることのできる学会でありたいと考えます。

以上の3点を踏まえ、この度新たに本学会の基本方針を策定し、「世界との対話を通じて、日本独自の研究を世界へ発信する」というスローガンを掲げました。我が国独自の研究スタイルの強みをフルに活かした形で、多国籍企業研究のグローバルスタンダードをクリアし、更なる国際的な学術交流と国内における研究活動の深化を同時に推進したいと考えます。今後とも引き続き、本学会への積極的なご参加、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

多国籍企業学会会長
浅川 和宏