会長挨拶
設立趣旨
多国籍企業学会会長
古沢 昌之
2023年8月より多国籍企業学会の会長を務めさせていただくこととなりました古沢昌之と申します。就任に際し、本学会の会員の皆様、本学会に興味・関心をお持ちの方々に対し、一言ご挨拶申し上げます。
私は本学会の特徴は以下の3点にあると考えています。第1は前身の多国籍企業研究会時代から継承しているアットホームな風土です。顔の見える、サロン的な雰囲気が魅力であり、学会運営面でも様々なアイデアが飛び交い、フットワークよくスピード感を持って新規のプロジェクトが誕生することも珍しくありません。第2は経営学と経済学の両面からのアプローチです。「多国籍企業」という地理的・制度的・文化的な多様性を内包する組織の実態や課題を学術的に究明するには、学際的なアプローチが欠かせません。その意味で、経営学者・経済学者の双方が集うことは本学会の大きな強みであると言えるでしょう。そして第3は活動面で多様なメニューを有していることです。具体的には、東部・西部の部会開催(各々年5回程度)、全国大会の開催(年1回)、学会誌『多国籍企業研究』の刊行(査読付き、年1回)、学会賞の授与(多国籍企業研究に関する優れた書籍・論文の表彰)、英文ニューズレター“Japan MNE Insights”の発行(年2回)などです。このほか、会員が執筆者となり、本学会として書籍を刊行したことも数多くあります。
会員の皆様におかれましては、こうした特徴(魅力)を有する本学会を是非ともご自身の研究活動と連動させて大いにご活用願いたく存じます。私としては、部会活動が本学会のベースですので、まずは部会報告をしていただくことを願っております。各部会報告に対してはコメンテーターを原則的に配置していますので、きっと有益なコメントが得られるでしょう。そして、コメントを踏まえて内容をブラッシュアップさせ、全国大会での発表、さらには学会誌への投稿にまで繋げていただければ、研究者としての市場価値を高めるキャリアになるものと確信しています。
上記の「部会報告→全国大会報告→学会誌投稿」という重層的展開を図るに際し、今後は若手研究者の育成も含めて、本学会らしいハンズオンのサポートを強化していきたいと思います。また、世界に通じる研究者の養成も重要課題であると認識しています。世界標準の方法論を修得した上で、日本ならではの研究成果を国際的に発信していくことは多国籍企業研究に取り組む者の責務と考えますので、そのための具体的施策についても検討してまいります。
以上、本学会の一層の発展を図り、日本のみならず世界の学界への貢献を果たす所存ですので、皆様方の積極的なご参画・ご協力をお願い申し上げます。