多国籍企業研究第17号
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.030−.042−.028−.013.086−.013−.011−.019−.013.122−.013−.063.013−.025.031−.035−.022−.013.137.099−.022(中国ブランド)必要であれば購買する注1:SPSSによる因子抽出(最尤法、Kaiserの正規化を伴うプロマックス法)注2:KMO=.780 χ²=3042.019 df=153 p=.000中国沿岸部市場における原産国プライドとグローバル・ブランド消費 李   玲クロンバックα係数0.7490.7231.019.5280.776(中国ブランド)グローバル性(中国ブランド)世界中で販売されている(中国ブランド)世界的な知名度が高い(中国ブランド)世界各地で購入できる(米国ブランド)グローバル性(米国ブランド)世界中で販売されている(米国ブランド)世界各地で購入できる(米国ブランド)世界的な知名度が高い(中国ブランド)購買意欲(中国ブランド)購買したい次に、AMOSを用いて多母集団分析による確認的因子分析を実施した。収束的妥当性と弁別的妥当性を検討するために、平均分散抽出(Average Variance Extracted: AVE)および合成信頼性(Composite Reliability: CR)を算出した。収束的妥当性は、Fornell & Larcker (1981)とZeng et al. (2021)に基づき、AVE (≧.50、ただし.36≦AVE≦.50を許容範囲)とCR (≧.60)を用いて検討した4。弁別的妥当性は、Fornell & Larcker (1981)とHair et al. (2010)を参照し、AVEと因子間相関の平方の関係(AVE>因子間相関の平方)を以て検討した。また、モデルの適合度は、小塩(2008)と豊田(2007)を参考に、GFI (>.90)、AGFI (>.90)、CFI (>.95)、RMSEA (<.05)といった指標を採用した。最初に実施した確認的因子分析の結果に基づいて算出した原産国プライド因子のAVEが.36 (AVE=.355)をやや下回ったため、因子負荷量(標準化推定値)が低い順に項目を除外しながら繰り返し確認的因子分析を実施した。1項目除外後のAVEは.363、4項目除外後のAVEは.386であった。他方、1項目のみ除外した場合、CRは.799であり、基準の.60を上回った。加えて、モデルの適合度は、χ²/df=2.276、GFI=.962、AGFI=.942、CFI=.963、RMSEA=.035で、十分な適合が確認された。さらに、森岡(2018)によると、安易に項目を削除・合成することは、概念の一般化可能性を減少させるおそれがある。これら複数の判断基準を総合的に検討した結果、「外国製品を凌駕する分野の誕生に対して誇りを感じる」という項目のみを削除した上で分析を進めた。図表3は確認的因子分析の結果を示している。AVEが.50を下回った因子は3つあったが、いずれも.36を上回り、CRは.728から.914であり、基準の.60を上回ったことから、収束的妥当性はある程度認められると判断した。 Fornell & Larcker (1981)やMalhotra (2010)によると、AVE≧.50はかなり保守的な基準であり、AVEが.50未満であってもCRが.60以上であれば因子の収束的妥当性が適切であると判断できる。測定項目因子1234548.756.699−.036.687−.124.111−.112.082.083.872−.007.080.586.577−.010.002.077

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