多国籍企業研究第17号
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被験者が提示したグローバル・ブランドは出現回数順に、中国のグローバル・ブランドではBYDが412回、NIOが58回、Xpengが41回、Li Autoが18回、GEELYが12回、AION、BAIC BJEVが各4回、ROEWE、CHERYが各2回、GACMOTOR、GreatWall、CHANGANが各1回挙げられた。一方、米国のグローバル・ブランドについては、TESLAが478回、Fordが14回、Cadillacが10回、BUICKが7回、CHEVROLETが1回挙げられた。3.仮説検証仮説検証を行う前に、探索的因子分析と確認的因子分析を実施した。まず、すべてのデータに対して探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行った。因子負荷量は、Comrey & Lee (1992)の基準(fair≧.45)を採用した。因子負荷量が.45未満の項目や、因子に対し内容的に妥当でないと判断された項目を除外しながら繰り返し因子分析を実施した結果、5つの因子が抽出された。また、Harman’s one-factor testを実施し、固有値1.00以上を抽出条件とした探索的因子分析(最尤法、回転なし)を行った(Podsakoff & Organ, 1986)。複数の因子が抽出され、固有値が最も大きい第一因子の寄与率は12.770%であったため、コモンメソッドバイアスによる影響の可能性は低いと判断した。各因子の信頼性は、Hair et al. (2010)の基準(クロンバックα係数≧.60で可、≧.70が理想)に基づいて検討した。クロンバックα係数の範囲は.723から.913であり、内的一貫性が確認された。各因子の内容的構造を参照した上、因子名を「原産国プライド」「グローバル性(中国ブランド、米国ブランド)」「購買意欲(中国ブランド、米国ブランド)」とした。探索的因子分析の結果と各因子のクロンバックα係数は図表2に示した。原産国プライド科学研究水準の向上に対して誇りを感じるブランドの国際進出に対して誇りを感じるブランド品質の向上に対して誇りを感じる国潮ブランドがファッション市場をリードすることに対して誇りを感じる経済の発展に対して誇りを感じる外国製品を凌駕する分野の誕生に対して誇りを感じる製造能力の強化に対して誇りを感じる科学技術水準の向上に対して誇りを感じる(米国ブランド)購買意欲(米国ブランド)購買したい(米国ブランド)必要であれば購買する.644−.091−.071.025.637.136−.014−.070.628.627.603.038.554−.036.551−.030.518−.121−.006.028中国沿岸部市場における原産国プライドとグローバル・ブランド消費 李   玲図表2 探索的因子分析の結果測定項目因子123457.072−.089−.060.003−.044−.001.022−.014−.036.061−.080.071.137−.002.064.948−.012.035.887.026.022.053−.058クロンバックα係数.037.057.028−.055−.015.044.0600.8140.913

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