多国籍企業研究第16号
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(2)経営資源の組み合わせと「エスニック・マリアージュ」16 図形の違いは、四角は各ステップ、ひし形は買収、丸は市場獲得状況を表している。エスニック・マーケティングを活用した海外市場参入から市場全体攻略へ      ― Grupo Bimbo社による買収した経営資源を活用した米国市場攻略 ― 杉村 亮介図表4 ビンボ社による米国市場全体攻略のフロー図1630(出所)筆者作成このフロー図の色塗り部分(①をはじめ、③、③’、③’’、③’’’の部分、⑤、⑤’、⑤’’、⑤’’’の部分)において、エスニック・マーケティングが実施され、ビンボ社のメキシコブランドが市場に浸透していった。つまり、ビンボ社はエスニック・マーケティングを徹底活用していた。結果的に、米国パン業界No.1のシェアと高利益率を達成した。ビンボ社は、ステップ③、④、⑤の一連の流れの中で、既存経営資源と買収で獲得した新規経営資源をうまく組み合わせ、各ステップにおいて、次なる経営資源としての「新規流通ルート及び新規販路」を創出していた。ステップごとの経営資源の組み合わせは、次のとおりである(図表5)。ステップ③では、既存経営資源である「本国での製品ブランド(ビンボ社のメキシコブランド)」が、新規経営資源である「現地流通網・現地プレゼンス力」と組み合わされた。その際には、既存経営資源の「高度な流通オペレーション能力」が活用されていた。続くステップ④では、新規経営資源の「現地の製品ブランド(買収先の製品ブランド)」及び「現地流通網・現地プレゼンス力」が、既存経営資源の「高度な流通オペレーション能力」と組み合わされた。この結果、新規経営資源の波及効果による「拡大された流通網・拡大された現地プレゼンス力」が構築された。ステップ⑤では、それらの新規経営資源の波及効果による「拡大された流通網・拡大された現地プレゼンス力」が、「本国での製品ブランド」及び「高度な流通オペレーション能力」と組み合わされた。

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