小川紘一(2014)『オープン&クローズ知財思想』東京大学政策ビジョン研究センター小川紘一(2008)「我が国エレクトロニクス産業にみるプラットフォームのメカニズム」/赤門マネジメント・レビュー7巻6号木下康仁(2014)『グラウンデッド・セオリー・アプローチ―質的実証研究―』弘文堂國領二郎(1999)『オープン・アーキテクチャ戦略―ネットワーク時代の協働モデル―』ダイヤモンド社佐藤治・藤村修三(2016)「製品アーキテクチャが内包する原理的な可能性や制約が競争戦略に及ぼす影響」組織科学Vol.50, No.1, pp. 70-85柴田友厚(2008)『モジュール・ダイナミクス』白桃書房柴田友厚(2015)『イノベーション法則性』成功体験の過剰適応を超えて/中央経済社総務省平成29年情報通信白書(2017)『データ主導経済と社会変革:爆発的に増加するIoTデバイス』第1部第3章第3節丹沢安治(2017a)「メガストラテジー:制度的環境の隙間を補う企業戦略」国際戦略経営研究学会,2017年6月30日丹沢安治・宮本浩明(2017)「質的データからの理論構築,そして論文化まで」:研究実践からの報告/戦略経営ジャーナルVol.5, No.3, pp. 89-108富山栄子(2002)「取引費用理論と競争戦略論の限界と補完性」―海外市場参入行動分析のための既存理論の批判的検討―,現代社会文化研究 No.23, pp. 183-200中田行彦(2007)『日本はなぜ液晶ディスプレイで韓国・台湾に追い抜かれたのか?』/法政大学イノベーショ液晶技術を用いた中間財企業の製品プラットフォームの構築プロセス 千島 智伸参考文献相原基大(2010)『企業の経営戦略と境界デザイン』日本生産管理学会,生産管理7(2)浅沼萬里・岩崎晃(1980)『市場と企業組織』日本評論社明石芳彦(2009)「液晶テレビ製造企業のグローバル競争と競争優位」関西学院大学経済学論究63巻1号17保有する技術を活かし他社から模倣できない競争優位が実現される『ものづくり企業』は、より具体的に異なる産業に適用できる競争優位構築メカニズムを構築する事が求められる。特に、グローバルビジネス環境では、企業間で互いに経営資源を活用し良好な関係を構築しながら相乗効果を発揮することが重要で、近年は「ビジネス環境の適応に掛かる取引費用最小化から、企業主導のルールメイク(標準化)を実現し、より最適な取引コスト構造に適応する傾向」(丹沢,2017a)に、一層の拍車が掛かるであろう。本研究は、単一事例から定性的なデータを用いてメカニズムを構築した。分析の妥当性を深めるためには、複数の異なる製品事例を加え考察を行う必要がある。Oliver(1997)が指摘するように、「企業の意思決定は効率性と生産性をより俯瞰した状態で考慮し、経済的合理性だけでなく、歴史的習慣や社会的な正当性にも影響がある」とされる。企業が選択する戦略や組織の意思決定は、利害関係者の環境と全体バランスを考慮し、その上で複数の主体企業が大規模に結びついた協調的なネットワークに発展させることである。製品プラットフォームの中心となる企業が、そうした状況に対応できる戦略と組織がどのように変化していくか、注意深く見ていく必要がある。また、プラットフォームビジネスとビジネスエコシステムとの関係性について詳細な分析が欠けている。ビジネスエコシステムは、液晶産業に限らずビジネス環境の変化に多くの影響を与えており、このような不規則性のある環境をテーマに今後も研究を続けていく。pp31-53
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