多国籍企業研究第16号
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液晶技術を用いた中間財企業の製品プラットフォームの構築プロセス 千島 智伸(出所)筆者作成図4 SDCにおける製品プラットフォーム構築プロセス15② 複数の異なる市場との接点をもち、標準化した液晶パネルが拡散できる③ 部材メーカーとセットメーカー双方から情報を獲得しパネルの開発に活かしている製品プラットフォームを構築するには、アーキテクチャの両面対応に加えアライアンスによって新たな経営資源を取り込むことである。アライアンスを活用すること、部品や材料の差別的要素(コア技術)を確保すること、これらを実現したことが競争優位性の根源であり、この流れが図4の製品プラットフォーム構築プロセスである。液晶パネル企業の製品プラットフォームの構築プロセスは、製品開発初期段階で取り組む部材メーカーとのインテグラル化が必要で(命題1)、構成要素間の関連性が強いガラスサイズの生産プロセスを工夫することでコストを抑制している(命題2)。SONYとのアライアンスによって生産規模と技術知識の学習機会を確保する新たな資源を獲得している(命題3)。このとき、インテグラル化とモジュール化の要素とアライアンス効果が作用し取引コスト効果が発揮できる。また、SDCの技術者がSONYとの繋がりから学習した知識を、別のパネル開発に発展させ、複数の異なる市場を発掘する機会に繋げる(命題4)。SDCはパネルの開発で協業した電子部品・材料メーカーとセットメーカー間を結ぶ役割となり、製品開発に関わる情報をセットメーカーから得て製品開発ニーズを他の製品開発にも活用し、こうしたことが循環するプロセスを確認した。実際の液晶パネルの製品プラットフォームは、図5が示すように液晶パネルメーカーが部品・材料を供給するサプライヤーとセットメーカーごとの製品差別化(カスタマイゼーション)を行う。具体的には、SDCは複数市場にあるセットメーカーの製品設計段階から関与し、早い段階で顧客の意向を部品・材料サプライヤーと協議・検討を共に行っている点である。また、SDCのこうし

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