20日本の大学で学ぶ外国人留学生の「就職問題」に関する研究 ― 大学のキャリアセンターへのアンケート調査に基づいて ― 古沢 昌之(表12)外国人留学生の就職を巡る「問題点」①(留学生本人に関わる事項)項 目全体SD国公立私立t値① 大学が主催する「就職ガイダンス」「SPI・エントリーシート・面接・グループディスカッションなどの対策講座」「学内(合同)企業説明会」(留学生限定も含む)に参加しない留学生が多い3.660.8973.513.71-1.242② 「日本で就職できなければ大学院進学か帰国」といった「安易な考え」で就職活動に臨んでいる留学生が多い3.380.9353.053.50-3.004**③ 就職活動の「スタート時期」が遅い留学生が多い3.770.9123.673.81-0.812④ 日本の「就職活動の仕組み・流れ」を理解していない留学生が多い3.730.8743.673.75-0.454⑤ 「服装や髪形」など、就職活動にふさわしくない「身だしなみ」の留学生が多い2.740.9082.472.85-2.399*⑥ 就職活動に必要な「資金」(企業訪問に必要な交通費など)が不足している留学生が多い3.020.7163.073.00 0.551⑦ 就職活動期間が「長期」に及び、「肉体的・精神的な苦痛」を感じている留学生が多い3.030.7383.003.04-0.265⑧ 就職活動関連で、大学からの個別の「呼び出しや問い合わせ」に応じない(連絡がつかない)、あるいは即座に返信しない留学生が多い3.231.0492.673.44-4.291***⑨ 「エントリーする企業数」が少ない留学生が多い3.520.7923.193.65-3.557**⑩ 「アルバイト」に精を出しすぎている留学生が多い3.110.8652.883.19-2.555*⑪ 日本企業に勤めたいが、日本に「長期滞在」するつもりのない留学生が多い2.970.7812.863.02-1.139(注)***:p<0.001,**:p<0.01,*:p<0.05。(表13)外国人留学生の就職を巡る「問題点」②(大学に関わる事項)項 目全体SD国公立私立t値①留学生の就職活動をサポートするための「マンパワー」が不足している3.490.8963.673.42 1.588②留学生の就職活動をサポートするための「予算」が不足している3.020.8583.302.91 2.585*③個々の留学生の「求職ニーズやキャリア志向」を把握できていない3.350.9053.513.29 1.376④個別企業の留学生への「求人ニーズ」(どの企業が、どんな留学生を求めているのか)を把握できていない3.330.8653.353.32 0.156⑤留学生の求職ニーズと企業の求人ニーズを「マッチング」させる機能が弱い3.400.8563.473.38 0.550⑥キャリアセンターと「各留学生の指導教員」(ゼミ担当教員)との「連携や情報共有」が不十分である3.060.9553.213.01 1.173⑦キャリアセンターと留学生の「生活支援などを行う部署」(国際交流センターなど)との「連携や情報共有」が不十分である2.810.9582.932.76 0.986⑧キャリアセンターと各学部・研究科の「教務担当部署」との「連携や情報共有」が不十分である2.900.9493.022.86 0.969⑨キャリアセンターと(留学生への)「日本語教育担当教員」との「連携や情報共有」が不十分である2.960.8943.092.91 1.135⑩キャリアセンターと地域の「自治体や経済団体」(商工会議所など)との「連携や情報共有」が不十分である2.990.8912.913.03-0.748⑪キャリアセンターと「ハローワーク・外国人雇用サービスセンター」との「連携や情報共有」が不十分である2.760.9752.882.72 0.942⑫キャリアセンターと「入国管理局」との「連携や情報共有」が不十分である3.160.9743.163.16 0.020(注)*:p<0.05。
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