12日本の大学で学ぶ外国人留学生の「就職問題」に関する研究 ― 大学のキャリアセンターへのアンケート調査に基づいて ― 古沢 昌之(表5)外国人留学生の「就職支援担当者」の配置(%)項 目全体国公立私立① 留学生の就職支援を「主たる業務」とする「職員」を配置9.62.212.5② 留学生の就職支援を「主たる業務」とする「教員」を配置1.22.20.8③ 留学生の就職支援を「他の主要業務と兼務」で担当する「職員」を配置49.423.959.2④ 留学生の就職支援を「他の主要業務と兼務」で担当する「教員」を配置12.015.210.8⑤ 留学生の就職支援を担当する職員・教員は「特に配置していない」(日本人学生と同じ扱い)40.467.430.0(注)複数回答可。② 「支援施策」の実施状況ここでは、最近5年間(2014~2018年度)に各大学で実施(主催)した留学生への就職支援施策に関して尋ねた。具体的には、先行研究及び我々のヒアリング調査19を踏まえて16項目を提示し、各々について「日本人・留学生の区別なく実施」「留学生限定で実施」に分けて実施状況を5点法(5=毎年実施、4=殆ど毎年実施、3=時々実施、2=殆ど実施せず、1=全く実施せず)で回答してもらった。まず、「日本人・留学生の区別なく実施」している施策から見てみよう。全体の平均値は「就職ガイダンス」(4.89)が最高、第2位は「履歴書・エントリーシート対策講座」(4.82)、第3位は「面接・グループディスカッション対策講座」(4.80)となり、以下「業界研究セミナー」「インターンシップの紹介やアレンジ」(ともに4.72)、「学内(合同)企業説明会」(4.65)、「就職活動に関する個別相談会」(4.57)の順であった(表6)。提示した16項目のうち、9項目で平均値が4.50以上、13項目が3.50以上となり、3.00未満は「日本企業の経営(日本的経営)の特徴(雇用慣行や企業文化)に関するレクチャー(正規科目も含む)」(2.57)、「ビジネス日本語講座(正規科目も含む)」(1.84)、「交通費など就職活動に要する費用の貸付制度や補助金制度」(1.69)の3項目にすぎなかった。以上のことから、我々が提示した項目の多くは、各大学で毎年のように実施されていると思われる。なお、全ての項目について、国公立と私立の間に有意差(t検定)は検出されなかった。19 我々の研究プロジェクトでは、本アンケート調査に先立ち、企業や大学等へのヒアリング調査を重ねてきた。
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