多国籍企業研究13号
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10日本の大学で学ぶ外国人留学生の「就職問題」に関する研究      ― 大学のキャリアセンターへのアンケート調査に基づいて ― 古沢 昌之(表2)日本人学生と外国人留学生の「就職率」(%)日本人学生外国人留学生t値96.881.88.064***(注)***:p<0.001(表3)外国人留学生の「就職率」に関する国公立大学と私立大学の比較(%)国公立大学私立大学t値85.180.51.098最近5年間の留学生の「就職率の傾向」については、「上昇傾向」=16.9%、「大きな変化なし」=82.5%、「下落傾向」=0.6%という結果となった(国公立と私立の間にχ2検定の有意差はなし)。一方、外国人留学生の就職率に関する組織(キャリアセンターなど)としての「数値目標」は、「あり」は9.0%に留まり、「なし」が大半(91.0%)となった。なお、「あり」と回答したのは全て私立大学(私大の中の12.6%)で、χ2検定で国公立との間に5%水準の有意差が認められた。また、「あり」の場合の数値目標の平均値は94.1%であった。② 「求人」を巡る状況各大学における最近5年間(2014~2018年度)の外国人留学生に対する「求人」(留学生対象や留学生歓迎・留学生可の求人)を巡る傾向について質問した。具体的には、我々が提示した状況が自校にどの程度当てはまるか、5点法で尋ねた(5=全くそのとおり、4=どちらかと言えばそのとおり、3=どちらとも言えない、2=どちらかと言えば違う、1=全く違う)。まず、「留学生への求人は全体として増えているか」に関しては、上記5点法による回答の全体の平均値は3.47となった(表4)。度数分布では「どちらとも言えない」が過半数(51.8%)を占めたが、「全くそのとおり」「どちらかと言えばそのとおり」の合計が45.1%であったのに対し、「全く違う」「どちらかと言えば違う」のそれはわずか3.0%にすぎなかったことから、傾向としては増加基調にあると言ってよいだろう。続いて、「出身国を特定した求人」「スキル(語学力など)を特定した求人」「日本企業の海外子会社(支店を含む)からの求人」「外国企業の在日子会社からの求人」が増えているか否かについて、同じく5点法で尋ねた。「出身国」に関しては、平均値は2.83で、度数分布では「どちらとも言えない」が2/3近く(65.2%)に達した。一方、肯定的回答(5点法の5または4を回答)は「どちらかと言えばそのとおり」が13.0%あるのみで、「全くそのとおり」はなかった。肯定的回答を寄せた大学に「特に増えている国や地域」を記入してもらったところ、「ベトナム」を挙げる声が目立った。「スキル」を巡っては、平均値は3.01となり、「どちらとも言えない」が63.6%で最多であった。「肯定的回答」と「否定的回答」(5点法で1または2と回答)は各々19.8%・16.6%だった。また、企

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