多国籍企業研究第11号
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37ラグジュアリー消費における知覚価値と倹約志向の相互作用 ― ラグジュアリー・ブランド品を所有する日本人を対象に ― 李 炅泰制約を置いた完全測定不変モデル(full metric invariance)を検討したところ、適合度指標のCFIとRMSEAは良好だったものの、χ2の値が有意に大きくなった(χ2 = 1142.07, df = 546, p< .001, χ2/df = 2.092, CFI = .920, RMSEA = .053; △χ2 = 38.31, △df = 20, p = .008)。しかし、満足と意図から各1項目の等値制約を解いた部分測定不変モデルが、良好な適合度を示しながら、χ2値の差も非有意となって支持された(χ2 = 1124.70, df = 544, p< .001, χ2/df = 2.067, CFI = .922, RMSEA = .052; △χ2 = 20.94, △df = 18, p = .282)。4.2 構造モデルの分析因果関係分析:信頼性、収束妥当性、弁別妥当性、メジャーメントの不変性が確認できたため構造モデルの分析に進み、仮説で提示した因果関係を検討した。全体データ(n=400)の共分散構造分析に続き、多母集団同時分析を実施して倹約高群(n=168)と倹約低群(n=226)を比較した。その結果を図表5にまとめる。図表5 構造方程式モデルの分析結果対象パス標準化推定値(b)標準誤差検定統計量(t)R2全体(n=400)満足←実用的価値0.260.074.31***満足←感情的価値0.490.077.85***0.68満足←象徴的価値0.200.054.43***意図←満足0.770.0615.39***0.59χ2=762.86,df=266,p<.001,χ2/df=2.87,CFI=.94,RMSEA=.068【多母集団同時分析】倹約高群(n=168)満足←実用的価値0.480.163.92***満足←感情的価値0.220.131.930.68満足←象徴的価値0.240.063.29**意図←満足0.760.108.87***0.57倹約低群(n=226)満足←実用的価値0.170.092.37*満足←感情的価値0.590.097.68***0.68満足←象徴的価値0.160.072.76**意図←満足0.750.0712.13***0.56χ2=1121.58,df=532,p<.001,χ2/df=2.11,CFI=.92,RMSEA=.053〈注〉*** p<.001, ** p<.01, * p<.05仮説検証:H1、H2、H3では、実用的価値、感情的価値、象徴的価値がそれぞれ満足と正の関係を持つと予想した。全体分析の結果をみると、実用的価値(b = .26, t = 4.31, p<.001)、感情的価値(b = .49, t = 7.85, p<.001)、象徴的価値(b = .20, t = 4.43, p<.001)がともに満足と有意な正の関係を示し、それらの仮説が支持された。3変数間のパス係数の差は、感情的価値と象徴的価値の間(検定統計量3.58)で有意であった半面、実用的価値と感情的価値の間(1.87)ならびに実用
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